顧客が真に求める「価値」を提供。
あらゆる困難を打破できる営業プロセスです。


ASP Japan合同会社様
滅菌・消毒の分野で先進的な医療機器を提供。「感染のない、未来」を目指し、患者や医療従事者、地域社会にとって安全・安心な環境づくりに取り組んでいる。米国に本社を置く工業分野、電子計測器のトップブランドで構成されるFORTIVEのグループの一員。
「インタビュー」の力で、潜在化したニーズを明らかに。
西川:私たちが取り扱っているのは、医療器材の消毒・滅菌をする医療用医薬品や医療機器。一般的に、営業活動は製品に対する興味を顧客に持ってもらうところからスタートするものですが、当社の場合、まずそこに高いハードルがあります。
高橋:たしかに。コロナ禍の今でこそ、広く世間でも感染管理の重要性に目が向けられていますが、医療現場では、感染制御を行うことはかねてから当然でした。言い換えると、慣習で行っていて課題に気づいていない場合もあります。多忙な業務の中で「大事だけど感染管理にばかり時間を割いていられない」というお客様もいます。
西川:医療現場で感染対策上の課題が放置されていることは、まずありません。病院側は当たり前のように対策しています。むやみに営業したところで、「うちの感染対策に、今すぐ解決すべき課題はありません」と突っぱねられてしまうだけです。
高橋:だからまずは、顧客に課題を認識していただくよう働きかけていきます。ここで役に立つのが、インテグリティ・セリングの営業プロセスです。AIDINCⓇという6段階のフレームワークのうち、2番目の「インタビュー」で、顧客をとりまく状況をヒアリングしていきます。
西川:「業務プロセスをどのように変えるのが望ましいですか?」「変えない場合に、リスクや懸念点はありませんか?」といった質問で、「現状」と「あるべき姿」との差を認識していただく。すると、顕在化していなかった課題が浮き彫りになります。これを実践できるのがインテグリティ・セリングの特長の一つです。
高橋:「聞く」ことは決して受け身の行為ではありません。インタビューとは、ニーズを明らかにするための創造的なコミュニケーションともいえます。

反論をチャンスに。誠意をもって向き合い、次につなげる。
西川:私たちの製品を購入する病院には、ステークホルダーが多くいらっしゃいます。それは医師や看護師といった医療者に限りません。事務の方、経営に関わる部署の方を含みます。立場ごとに異なる課題を持っておられる方々が、機種の選定に関わります。営業する上での難しさはこの点にもあります。
高橋:その通りです。数千万円の高額な医療機器は、一人の使用者の意思だけではなかなか購入できません。製品に対して感じてもらえるベネフィットも立場ごとに異なるため、多くのステークホルダーを巻き込む必要があります。そんな局面でも、一人ひとりの「欲しい」という思いを丁寧に引き出していくことで、ようやく受注に至るわけです。
西川:大きな投資であるほど、お客様は慎重に判断しますし、時には防御的な反応を示されることがあります。それを打開するためのスキルは、AIDINCⓇの「ネゴシエーション」のステップで詳しく学べます。
高橋:ネゴシエーションというと「論破」のイメージが湧く方もいるかもしれません。しかし、インテグリティ・セリングにおけるネゴシエーションは、相手の反論に誠実に対応することを意味します。
西川:「この点が不安だから購入できない」といった声を受けて、どのように解決するかを互いに話し合うようなスタンスですね。相手からの反論は、製品に興味を示してくれている証ですから、チャンスでもあります。示された課題を解決できれば、次に進めるわけですから。
高橋:入社して間もない頃、先輩の営業に同行をしていて格好いいと感じたのは、クレームをクレームで終わらせないところでした。むしろビジネスを進めるきっかけにしていたのです。クレームを機にしてお客様との関係性を再構築する姿に、とても感銘を受けました。インテグリティ・セリングが身に付いていたからこそだと思います。
体系化されているから、身に付きやすく、教えやすい。
高橋:インテグリティ・セリングの良さは、営業における考え方やスキルが体系化されていて、誰でも習得しやすい点にあります。
西川:私自身、インテグリティ・セリングを知らずに営業を担当していた当初は、セールスの手順がわからず手探りでした。焦りからしつこく注文を催促してしまったり。「競合の製品よりこんな点が優れているんです」と性能をアピールするだけでは、ときに疎まれて逆効果になってしまうことも、十分に理解できていませんでした。
高橋:何も知らずに営業現場に出ると、製品スペックの説明ばかりしてしまいがちですよね。
西川:製品の特長を伝えれば、顧客の購買意欲を高められると思い込んでいました。大切なのは、お客様の気づかれた将来の課題を、製品やサービスによって解決できるのだと心から納得いただくこと。インテグリティ・セリングに初めて出会ったのは20年以上前になりますが、「こんな営業トレーニングがあるんだ」と驚いたものです。
高橋:感覚的に培ってきた自分の営業スキルを、理論立てて言語化してもらえたように感じました。今はトレーナーとしてセールスの育成を支援する立場ですが、「背中を見て学べ」とならずに済んでいるのはインテグリティ・セリングがあってこそ、だと思っています。

8週間にわたるフォローアップで、組織として成長できる。
高橋:往々にして研修は、「一度参加しておしまい」「実際に役立っているかはよく分からない」となってしまいがちです。インテグリティ・セリングなら、皆で学びを深める8週間のフォローアップを受けられます。日々の営業活動で実践・応用し、振り返る。それを繰り返していくことで、個人だけでなく組織にも定着します。
西川:フォローアップのために毎週、時間を確保するのは大変かもしれません。しかし、今はオンラインでも実施されていて、必ずしも特定の会場に足を運ぶ必要もないですしね。画面上ではありますが、互いに顔を見ながら実践した成果を共有することで、チームメンバーの成長にもつながります。
高橋:販売に至るまでのプロセスが複雑な製品を取り扱っているからこそ、インテグリティ・セリングの強みを日々実感しています。
西川:営業に際して、ステークホルダーの多さに苦慮している企業は多いと思います。インテグリティ・セリングを活用し、お一人お一人のお客様の課題を見つけ、ステップを進めていけば、難易度の高い課題であっても、解決の糸口は必ず見つかるはずです。医療業界に限らずおすすめしたいですね。
Column
さまざまなセリングスキルがある中から、インテグリティ・セリングを導入された経緯や決め手について、同社のナショナルセールスディレクター金丸武志様よりコメントをお寄せいただきました。
弊社は25年以上にわたって日本で事業を行ってまいりましたが、2019年より米国フォーティブ社の一員となり、独立した会社として新たに歩みだしました。我々の重要な価値観の一つに、「イノベーションを通して顧客の成功をサポートする」というのがあります。プロフェッショナルである医療従事者に最前線でコンタクトするセールス担当者には、その価値観を実現するためのスキルを身につけられるようにしたいと考え、インテグリティ・セリングを導入しました。このスキルを導入した理由は二つあります。
一つは、活動状況の共有を行う言語を標準化する上で、最適であったことでした。上司部下間でお客様の課題や解決策の提案状況の共有を、正確かつ速やかに行うためにも、言葉の定義をそろえることは必要でした。新たに活動を始めたメンバーの育成を行いながら、これまで活動してきたメンバーとの目線合わせをすることができました。
また我々の製品は、お客様に大きな投資をいただき、長期にわたってお使いいただく製品です。セールス担当者の日々の訪問が、お客様にとって心地よいものであり、その上で最終的にお客様が成功するためのお手伝いとなる。これをすべてのセールス担当者が実践できるようにしたかったのが、インテグリティ・セリングを選択した二つめの理由です。
インテグリティ・セリングは、お客様との関わりを六つの段階で定義し、セールス担当者自身が現在地をつかみやすいように設計されています。そして、それぞれの段階でどのようなコミュニケーションが求められているかを、トレーニングやオーディオ学習で導いてくれるのです。弊社ではセールスマネージャーチームも、このスキルを社内で広めるファシリテーターとしての認定を取得。日々の対話の中にもこのスキルのコンセプトを交えながら、マネージャーとセールス担当者が一緒になって、課題の解決に取り組んでいます。